「馬鹿なことをするなよ。傍系になるな,やるなら主流派として体制内改革をしろ」

 

 

先日亡くなられるまで,尊敬していろいろとご指導頂いていた合気道の故,半澤義巳先生に何度か悩みを聞いて頂いていた事もある。この方は宮城県の有名な高校の名物校長先生で,当時50歳過ぎなのにその年齢を感じさせないほど合気道に情熱を燃やし実践していた方で,会うたびにすごく刺激されていた。

フルコンタクトの空手選手は,30歳過ぎて選手生活が終ると,前述したような事情で感覚的に何となく気が抜けてしまう。ご多分にもれず私もこれから何に情熱を傾けたならら良いのかと迷っていた頃だった。しかしその先生の生き方を見ていると,まだまだバリバリの現役で,30歳程度で動かなくなって指導者然として収まっては駄目だと叱咤されている気がした。しかし私の膝ではもうあのフルコンの組み手は出来ない。しかしこの方法なら出来るはずなのにと思った。

その先生から常に「馬鹿なことをするなよ。傍系になるな,やるなら主流派として体制内改革をしろ」度々言われていた。

 

(東孝著「はみだし空手から空道へ」,福昌堂,平成14年9月刊)

半沢義巳先生,河辺茂先生と共に